勾玉専門店 国産糸魚川ヒスイの原石を用いた勾玉造りを京都最北端の地”丹後”にて行っております

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香具の実

久美浜には、朝日公園という、今は公園となっている所があり、そこには高さ三〜四メートルの烏帽子岩がある。その朝日神社のご神体は後方にある高竜寺岳で、古代では、それを拝むために高竜寺を核として烏帽子岩でストーンサークルのような形をつくったようである。その昔は海から高竜寺を目指して大集団が入って来たのだろう。いってみれば灯台の役目をしていたのだ。その後方に中嶋神社という、お菓子の神様を祀ってある神社がある。タジマモリノミコトといってアメノヒボコノの孫にあたる方を祀った神社である。

   

タジマモリのミコトは垂仁天皇の時に「香具の実」を取りに行った。どうゆうことかというと、その実は食べると何百年も生きられるというもので、常世の国にあるので取ってこようということだった。歴史書を調べてみると、タジマモリは常世の国にたどりつき、非時香葉(トキジクノカクノコノミ)を見つけ十年後に持ち帰るのだが、その時には天皇は亡くなったあとで、天皇の墓の前に香葉を献げ、ついに墓前で殉死を遂げるという伝説が残っている。

   

「香具の実」とは実のところ何だったのだろうか。一説では現在のお菓子の元になるものだと言われており、全国から、今でもお菓子の業者がお参りに来ている。地元では橘ではないか、みかんではないかと言われているが、本当のところはどんなものかわからない。しかし、この話は民話でも残っている。

   

中嶋神社の中嶋という名前からして大陸系の名前であるから、タジマモリはアメノヒボコの系統で、帰化人とされている。但馬古事記というのが残っていて、今はその記述は偽書であると言われているが、その中にアメノヒボコの事が書かれている。それによれば元は新羅の皇子で、来朝して日本に住みつき、帰化人になったという。それは先史時代の事だ。ただ、これは浦嶋太郎の話とも関係がある話なのだ。

   

「香具の実」をみかんの実とはせず、一種の理想のものとしてみて、それがあるとすべてが治まるというようにものを見ていくと、ずいぶん違った色彩になる。すべてを治める秘伝とみるのだ。浦嶋も常世の国に行って秘宝を授かって帰ってくる。けれどもその時までに何百年が経っており、家族も誰もが死んでいた。御伽草子の浦嶋は非常に脚色されており、読んでいては全く子供向けであるが、本当はあのようなものではなく、もっとおどろおどろしいものだ。なにしろ常世の国で修行をし、仙術まで授かって帰っているのだから。このようなことから、どうも「香具の実」もまた信仰の奥義に何か関係があるのではないかと推測される。

   

中嶋神社
 交通:JR豊岡駅から全但バス奥野行き20分。中嶋神社下車。
 ポイント:垂仁天皇の命で常世の国に不老不死の非時香葉を持ち帰った田道間守命を祀る。

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